仕事と学習の状態
自分の状態に気づく
健康な身体は、仕事や学習の土台であるだけでなく、私たちのあらゆる活動の土台でもあります。健康の重要性は言うまでもありませんが、その維持については、軽い不調を習慣的に我慢しているうちに、知らないあいだに見過ごしてしまうことがよくあります。ここでは、仕事と学習の状態に気づき、それを保つための筋道立った方法を紹介します。
私たちはしばしば、落ち着かず苛立った状態に置かれます。いつもなら難なくこなせる仕事や学習が、急に難しくなる。この状態はとても不快なのに、痒みや痛みのような直接的な身体感覚とは違って、はっきりした出所がありません。そのため原因を見つけにくく、原因が分からなければ手の打ちようもありません。
身体が発しているこの信号を無視しないでください。対処の筋道が見えないまま放っておいた結果、やがて厄介な病気に育ってしまうことがあります。そうした場面で途方に暮れずに済むよう、いくつかの考え方を挙げておきます。
環境要因のチェックリスト
第一に、自分が置かれている環境を確認します。より具体的には、光、におい、温度、湿度、音——身体感覚を直接引き起こす要因です。上の順序は、これらに対する感度のおおよその順序にも対応しています。十分に休息がとれているとき、身体の各機能は秩序よく働き、こうした条件の不快さをある程度は遮断できます。つまり我慢の余地が大きくなります。しかし不快な環境に長時間さらされていると、頭は慣れてしまっても、身体のほうは抗議を続けます。
その典型が騒音です。ほかの条件は照明や空気清浄機、エアコンなどで手を加えられますが、騒音だけは外から来て壁を通り抜けるという性質のため、低いコストで遮ることが難しい。多くの人はとりあえず我慢するしかなく、それが長く続くと音への過敏さにつながり、精神状態に大きく影響します。
もう一つの鍵は空気と温度・湿度の条件です。これらは細菌やカビ、真菌の影響を左右します。微生物が免疫系に与える影響はすぐには表れません。そのため最初はわずかな不調としか感じられず、あまり気に留めないうちに、長い時間をかけて深刻な症状になり、原因が分からず戸惑うことになります。微生物の影響は、騒音と同じように観察から漏れやすいものです。
次に、寒さと暑さによる身体への干渉です。寒暖に応じて衣服を加減することは、本来ごく自然で基本的なことです。しかし近年は、学校の学習が家庭生活に過度に介入し時間を奪うことで、多くの子どもの家庭生活の経験が痩せてきました。温度についての常識を持たないまま育ち、過度の寒さが痒み、痛み、しびれや低体温、火照りといった感覚を引き起こすことも、睡眠環境が暑すぎれば乾燥やのぼせ、不眠などにつながることも知らない、という状況が生まれています。
光とにおいについては、この二つの感覚が非常に敏感であるため、環境中の不快な要因にすぐ気づいて避けることができます。したがって、この二つが原因で状態が崩れることはあまりありません。
食事要因のチェックリスト
第二に、自分の食事を確認します。「病は口から入る」という言い方には、今日でも高い価値のある洞察が含まれています。第一の環境チェックで異常が見つからなければ、自分の食事を記録し、そこに状態を崩す要因がないかを分析することが次の重要な一歩になります。
一般に、私たちの身体には自発的な調節があります。ある栄養が足りなければ、対応する食べ物を見たときに衝動が生まれ、それを摂るよう知らせてくれます。しかし、勤め人の都市生活は、その習慣や方法、リズムの点で、こうした自然の設計とあまり噛み合っていません。
まず食習慣、飲み物から見ていきます。ミルクティー、茶飲料、炭酸飲料、加糖飲料、エナジードリンク、アルコール飲料は、今日では種類も豊富で、絶えず私たちを誘惑します。茶のポリフェノール、ミルクティーやコーラ、エナジードリンクに含まれるカフェイン、そのほかの興奮性物質は、耐性のない人には動悸、神経の高ぶり、不眠などを引き起こし、正常な概日リズムを乱します。過剰な糖分の摂取も膵臓に大きな負担をかけます。こうした不調があるなら、まず飲み物を止めてみることを考えます。
次に食事の方法です。長い労働時間と仕事の圧力によって、多くの勤め人にとって出前は食事の主要な手段になりました。家で料理する時間的なコストと労力を、もう支払えないからです。しかし衛生面を別にしても、出前には自炊と比べて二つの深刻な問題があります。一つは食材が単調で、炭水化物と肉が中心になり、野菜の組み合わせが不足しがちなこと。もう一つは市場やスーパーに買い物に行く回数が減り、特定の栄養を求める身体の衝動にもとづいて食材を選ぶことが難しくなることです。可能であれば、定期的に市場へ足を運び、野菜と果物の不足を補うようにしたいところです。
最後に食事のリズムです。睡眠の問題を抱える人は多く、夜更かしをして遅くに眠るのに、仕事のためには翌朝早く起きなければなりません。睡眠時間を少しでも増やすために朝食を犠牲にするのは、ごくありふれた選択になっています。一日二食というリズムが日常になっている人も多いのですが、このリズムは一日中続く仕事の圧力とは明らかに噛み合っていません。朝はエネルギーを前借りして働き、夜には食べ過ぎる。どの角度から見ても健康であり得ません。このリズムはさまざまな要因が重なった結果なので、ほかの条件が変わらないまま食事のリズムだけを変えても効果はなく、かえって悪い影響が出ることさえあります。
心の健康のための提案
第三に、自分の心の健康の状態を観察します。環境と食事については、比較的はっきりした筋道を立てて確認し改善できますが、心の健康の問題ははるかに厄介です。それは今この瞬間だけの問題ではなく、過去の人生、現在の生活、そして将来への不安といった多くの要因が重なって形づくられるからです。ここでは一般的な提案しかできず、根源まで踏み込むことはできません。最終的には、一人ひとりが自分に対して責任を負うほかありません。影響の大きさの順に、情報の流れを断つこと、屋外での活動、そして運動の三つを挙げます。
情報の流れを断つ。 トラフィックに駆動されたインターネットの内容生産の仕組みは、いびつで健康的とは言えません。意識して距離を取る必要があります。より具体的には、感情を煽る内容から離れることです。それが露骨な叫び声であっても、論理の整った分析であっても、能動的に断るべきです。受け身の推薦に頼るのではなく、自分から検索することをうまく使う。情報の繭は避けられないとしても、能動的に検索することは心理的な制御感を強め、精神の安定に役立ちます。
屋外での活動。 屋外活動でもっとも重要なのは、自然と接することです。鉄とコンクリートの林は心の健康に良くなく、精神を抑圧された状態に置き続けます。山、湖、川、海、あるいは荒れ地であっても、そこには自然の気配があり、触れるだけで精神は緩みます。公園のような人工の風景は、どれほど美しく整っていても、荒れ地に自由に育つ雑草や小さな花ほどの慰めを与えてはくれません。
運動。 これがもっとも慎重を要します。労働時間が長く、仕事の圧力が大きいなら、運動の強度は必ず低めに設定してください。運動とは実際には私たちの気力とエネルギーを消費し、臓器と筋肉の負荷を上げる行為だからです。運動中に生じるエンドルフィンやドーパミンは気分の快さをもたらしますが、感覚の快さと健康は決してそのまま等号で結べません。近年は過労と過剰な運動が重なって身体を壊す例が多く、突然死の報道も珍しくありません。運動の強度については、慎重に見極めてください。